性同一性障害への配慮。183自治体で印鑑証明性別記載なし

心と体の性が一致しない「性同一性障害」の当事者に配慮するなどの理由で、性別欄のない印鑑登録証明書を発行する市区町村が31都道府県の183自治体に上ることが、当事者団体が総務省に照会するなどした調査で分かった。

市区町村は全国に約1740あり、1割強に当たる。団体は「理解が進んできたがまだ不十分。不要な性別欄の削除を求めていきたい」としている。
都道府県別で最も多かったのは東京都の38自治体で、愛知の19、埼玉の18、北海道と長野の各15などが続く。

印鑑証明の他にも

「精神障害者保健福祉手帳」から「性別欄」を削除する方針を固めた。心の性別が戸籍と異なる性同一性障害者(GID)への配慮で、来年にも様式を変更するという。この福祉手帳は、統合失調症などの精神疾患で、生活に支障がある人を支援するためのもの。現在、税の減免や公共交通機関の割引、自治体・民間業者の各種優遇などが受けられるが、これらのサービスは性別と関係がないことから、厚労省は手帳から性別欄を削除しても支障は生じないと判断したという。

性同一性障害者の場合、身分証明書を提示する際に性別表記を見られることで、苦痛を感じたり、トラブルに巻き込まれたりするケースも少なくないようだ。2004年に戸籍の性別変更をしたタレントのカルーセル麻紀さんは、見た目とパスポートの記載が違うため「海外旅行のたびに辛い思いをしていた」と、記者会見で告白している。

言われてみれば、サービスを受ける際にあえて性別を告げる必要がないケースは、他にもあるように思われる。今回の「性別欄削除」は、性同一性障害者にとってどんな価値を持つと言えるのだろうか。セクシャルマイノリティ支援などに取り組む山下敏雅弁護士に話を聞いた。

本人確認に性別は関係ない場合は

そのたびに「説明」を余儀なくされるとなれば、「いい加減にしてくれ」と言いたくなる気持ちはわかる。一方で性別欄を消した場合、問題が起きるケースはないのだろうか?
「手元に運転免許証があれば、確認してみてください。性別の記載はありません。個人の特定や証明のために『性別』は必要ないのです。現在、多くの地方自治体で印鑑証明書のように性別が関係ない書類について、記載をなくしていく動きが広がっています。

本人確認に性別が必要な場合も

「年金など男女によって、法律上の取り扱いが異なるものや、医療など身体的な性差を把握しておくべきものはありますが、そのような場面でも、工夫が進んでいます。たとえば、昨年、厚生労働省は、国民健康保険証で性別を表面に記載しない方法を認めました。

オレも戸籍変更前は、病院に行く度に「ご本人様はどちらですか?」と何回も聞かれたり、パスポートを作成する時には係員が見た目の判断だけで、性別欄を本来の戸籍は女性なのに男性にチェックを入れられた経験がある。
当事者にとっては、いちいち説明するのもとても面倒なことだし心の性別と違う性別の身分証明書を提示することは非常に苦痛なことである。

このような、性別欄に配慮する自治体が少しでも増えて行くことを心から願っている。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年8月12日生まれ。性同一性障害の当事者で35歳まで女性として生きる。2013年に戸籍を男性に変更。現在はカウンセラー、コーチ、 トレーナーとして活動中 。