LGBTなんて関係ないと思っているあなたに読んで欲しい

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渋谷区のパートナーシップ条例(男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例)が世田谷区では同性パートナーを認める書類を発行することが決まった今、LGBTなんて私には関係ないと思っているアナタにぜひ読んでもらいたい。

日本では13人に1人と言われるLGBT(セクシャルマイノリティ)当事者。必ずアナタの知り合いに1人は居ると思う。居ないと言う人はきっとカミングアウトできていない当事者が隠してアナタと接しているのかもしれない。
オレも自分が性同一性障害であることを新しく出逢った人に話すと「初めてLGBT当事者(セクシャルマイノリティ)当事者と出逢ったよ」って言われることが多いけど、それはアナタが気づいてないだけ。

日本でも受け入れる人が数年前に比べたら大分増えてきたのは確かだけどまだまだ他人事の人が多いのが現状。パリでは下記のような状況だ。

パリの夏といえばイベントの季節。そして先日もっとも盛り上がりを見せたのは毎年恒例のゲイパレードです。パリの主要道路を大胆に通行止めにして、大勢の「LGBT」(同性愛、バイセクシャル、トランスジェンダーなど性的少数者の総称)の参加者たちがディスコ音楽を爆音で流しながら街を練り歩いていました。

異性愛者であろうと、観光客であろうと、誰でも参加OK。パレードが通りかかるのを見つけたら、スッとその行列に入り込んでしまうだけでいいのです。ある人はビールを片手に踊りながら、ある人はカップルで仮装したり、家族でプラカードを持って参加したりとさまざまです。お酒に酔った勢いでバス停の屋根によじ上って騒ぐ若者なんかも入り乱れて、パレードはものすごい熱気を帯びていました。私も一度参加したことがありますが、まるで地元のお祭りに飛び入り参加するような楽しさと気軽さです。

今年のゲイパレードは、自分では参加せず、参加者たちが通り過ぎて行くのを横から見ていたのですが、大企業の協賛が大々的に行われているのが印象的でした。例えば見慣れたパリの公共バスにレインボーカラーの飾り付けがされていたり、フランス大手通信会社『Orange』(日本でいうDOCOMOみたいな大企業)提供のトラックには「私たち『LGBT』もこの企業で働いています!」と書かれた垂れ幕がかかっていたりという具合です。そして実際にその会社で働くLGBTのスタッフ自らがパレードに参加していたのです。

私が日本にいたときも、 ゲイであることをカミングアウトしている職場の先輩によく新宿二丁目へ飲みに連れて行ってもらったり、レズビアンの活動家の方と知り合いだったりしていて、個人的には「LGBT」というものが身近な存在のつもりでいました。しかし、そんな私でも、パリに住んでみると、パリでの「LGBT」の存在は、日本にいた時以上に身近なものであると感じています。

例えば、元パリ市長がゲイであることを公言しているのです。これって、日本でいうところの東京都知事がゲイだというようなものですよ。想像できますか?

この元パリ市長(2001~2014年就任)だったベルトラン・ドラノエ氏は1998年にゲイであることをメディアに公表しました。彼はカミングアウトした最初の政治家として知られています。その当時こそ話題を呼んだそうですが、その後は市長に就任し、今ではそれも特別なことではないようです。

他にも主要政治家、テレビの有名司会者、ファッションデザイナー(日本でも有名なイブ・サンローラン、ジャン・ポール・ゴルティエ)等々、それぞれの世界の第一線で活躍する人たちのなかに多くのLGBTの人たちがいて、それをカムアウトしています。彼ら彼女らがパリからいなくなったらパリは稼働しなくなるんじゃないかと思うほどその存在感は絶大です。

普段テレビを見ていても日本との違いをはっきり感じます。LGBTをオープンにしているテレビタレントたちは多いのですが、日本のような「オネエキャラ」系はほとんどいません。言われなければわからない、セクシュアリティを売りにしていないテレビタレントが多くいるのです。

また私のフランスの家族の親戚にも、ゲイがいます。彼はそれを隠すわけでも、堂々と公言しているわけでもありません。ただ、それが当たり前のように、身内も知っているという感じです。ですから、彼は同性のパートナーを連れて身内の結婚式の際に参加したりもしています。

さらに2013年に同性愛結婚を認める法律が成立して以降は、同性愛カップルたちが地下鉄の中や道端でキスしている光景を目撃することも増えました。

こんな風にパリのLGBTは「身近」なんてどころか「ごく普通にありふれている」ものとして存在しています。とすると、誰もがLGBTを認めている風に見えますが、意外にも、同性愛を支持しないという人も少なくないのが現実です。

同性愛結婚を認める法律が成立するかしないかの時期、フランス中から同性愛結婚を反対する人たちがパリに押し寄せ(主催者によると80万人もの人が参加)、パリの街がものものしい雰囲気になっていました。反対派の人たちというのは、カトリック系や超保守派、同性結婚は認めても養子はダメ派などさまざまでした。

実際この頃にパリジャンと話すと必ずこの話題になって、賛成派、反対派の意見が衝突し、まるでケンカのような議論に発展してヒヤヒヤしたことが何度もありました。パリっていろんな人が生きられる街だと思っていたのに、反対派が少なくないことがとても意外で驚いたのを覚えています。もちろん、反対の意見を持つことも権利なのですけどね。

今でこそ同性結婚が認められ、同性カップルたちのラブラブ光景が見られるようになりつつあるパリですが、1981年まで同性愛は精神病のリストに加えられていたり、先の元パリ市長が市長就任後に同性愛差別者に攻撃されるという殺人未遂事件もありました。

日本よりもありふれた存在であるパリの「LGBT」ですが、そのためにいろいろな議論や事件を乗り越えて、少しずつ前進しながら今にいたっているのです。

このようにパリでは過去には色々あったが、今ではLGBT(セクシャルマイノリティ)は当たり前の存在として扱われている。日本もまだ時間が掛かるかもしれないけどこんな日が来るのか?

最近は、日本でもレズビアンカップルの活動家がテレビに出演したり、東京渋谷区で同性カップルに証明書を発行することが決まったりと、変化がじわじわと感じられる。

私は異性愛者だから、LGBTはあまり関係がない、よく知らない、わからない、という人もまだまだ日本では多いと思う。
しかし、自分と違う人の存在や権利を認めることは、異性愛者が「自分らしく生きていい」、ということを認めることにつながると思う。自分と違う、他人と違う人たちを排除してしまうと、人それぞれ違って当たり前なのにそれを否定してしまい、ゆくゆく自分の生き方も制限しかねない。

「自分は当事者というわけではないし……」と思っている人ほど、自分に関係のある問題として捉えてみてはいかがだろうか?

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年8月12日生まれ。性同一性障害の当事者で35歳まで女性として生きる。2013年に戸籍を男性に変更。現在はカウンセラー、コーチ、 トレーナーとして活動中 。