LGBT当事者の自殺および自殺未遂のリスクについて

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自傷行為による救急自動車出動件数(7.4万人/年<「平成23年版 自殺対策白書」より>)を日本の人口で割ってみたところ、0.0582%という数が出てきた。
これに対して、「性同一性障害」における自傷・自殺未遂件数の比率は28.4%で(「セクシュアルマイノリティの自殺および自殺未遂のリスクについて」より)、その比率は実に約490倍だ。

■性同一性障害における自殺の現状

性同一性障害では「性自認(心の性)」と「身体の生物学的性(身体の性)」とが異なる状態にある ことから、性別違和感のため自分の身体の性を強く嫌い、その反対の性になることに強く惹かれるもの である。
日本精神神経学会によれば、2007年末までに7,177人が診断されている。
国立大学法人岡山大学 病院は、性同一性障害の総合的診療を行なう国内を代表するセンターの一つとなっているが、
1999年の 「ジェンダークリニック」の開設以降、2009年までの受診者の自傷・自殺未遂割合は全症例中28.4%(327 人/1,153人)、
男性から女性へのMTF(心は女性、身体は男性)は31.4%(133人/423人)、女性から男性 へのFTM(心は男性、身体は女性)は26.6%(194人/730人)であったという。

また、全症例中自殺念慮 の割合は58.6%(676人/1,154人)、男性から女性へのMTFは63.2%(268人/424人)、女性から男性へのFTM は55.9%(408人/730人)であった。

GID学会理事長の岡山大学大学院保健学研究科中塚幹也教授は以下 のようにまとめている。
受診者の過半数が自殺念慮を持っていた時期があり、実際に自傷や自殺未遂に 到った者も28%を超える。
また、特にMTFにおいては、身体の男性化が取り戻しにくいことや社会との 摩擦を持ちやすいため、うつや神経症などの精神科合併症を高率に持つ。
自殺念慮の発生時期の第1の ピークは思春期であり、第2次性徴による身体の変化による焦燥感、中学での制服の問題、恋愛の問題 などが重なる時期にあたる。
また、自殺念慮の発生時期の第2のピークは社会へ出る前後だとされる。 就職、結婚などの問題で困難を感じ自殺念慮が発生していると考えられる。

「性同一性障害」が、その障害を持っていない人間からは、想像することができないくらいの苦しみであることだけは理解できると思う。オレ自身も数年前まで自傷行為や自殺未遂を繰り返し行っていた。

■同性愛、両性愛者における自殺

自傷行為 2011 年に日本国内ゲイ・バイセクシュアル男性 3,685 人を対象に実施されたインターネット調査によ れば、自傷行為(刃物などでわざと自分の身体を切るなどして傷つけた経験)の生涯経験割合は全体の 10.0%であり、30 代で 9.2%、20 代で 11.8%、10 代で 17.0%であり、年代が若いほど高くなる傾向がみ られた。

首都圏の男子中高生における自傷行為の生涯経験割合は 7.5%(Matsumoto T, Imamura F, 2008) であり、それと比較しても 10 代ゲイ男性における自傷行為の生涯経験割合(17.0%)は 2 倍以上高い。

第16回自殺対策推進会議 向笠委員提出資料 自殺未遂・自殺念慮 1999 年にゲイ・バイセクシュアル男性 1,025 人から回答が得られた調査によれば、全体の 15.1%は実 際に自殺未遂の経験があり、最初の自殺未遂の平均年齢は 17 歳であった。
また、64%はこれまでに自 殺念慮があった(Hidaka Y, Operario D, 2006)。さらに 2005 年に 5,731 人を対象にした調査においても、 ほぼ同率の自殺未遂と自殺念慮の割合が示され、再現性のある結果が得られている。

性同一性障害と同じく同性愛者や両性愛者の自殺や自殺未遂、自傷行為は異性愛者(ノンケ)に比べて非常に高いことが見て取れる。

■適切な支援が緊急に必要な状態である

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センターWGの「自殺総合対策大 綱の見直しに向けての提言最終案」では、「自殺対策の各領域と望まれる取組」の重点の一つに「社会 的少数者(マイノリティー)」を取り上げており、セクシュアルマイノリティへの配慮が必要であるこ とを提言している。国際的にみてもWHOが作成した学校教職員向けの自殺予防マニュアル等に性的指向 や性自認への対応の必要性が明記されている。セクシュアルマイノリティを対象にした国内データを概 観すれば、わが国でも適切な支援が緊急に必要な集団であることがわかる。

■まとめ

以上のデータを見る限り、LGBT(セクシャルマイノリティ)当事者が一般の人に比べて自殺や自殺未遂、自傷行為をしてしまう確率は非常に高いため
家庭や教育現場や企業においても早急に教育や支援が必要だということが分かると思う。
まだまだ他人事だと思っている人が多いんではないだろうか?もし、自分の家族が、友人が同僚が生徒が当事者だとして誰にも打ち明けられずに悩み苦しんだ挙句に自殺をしてしまったら?13人に1人と言われているLGBT(セクシャルマイノリティ)当事者。アナタのまわりにも必ず居ると言うことを忘れずにいて欲しい。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年8月12日生まれ。性同一性障害の当事者で35歳まで女性として生きる。2013年に戸籍を男性に変更。現在はカウンセラー、コーチ、 トレーナーとして活動中 。